ペルフェット/英国靴の堅牢さとイタリア靴の色気を兼備するジャパンメイドのお値打ち靴
ブランドの代表作で、アデレード(竪琴形)の内羽根が優美なセミブローグ。木型はペルフェットの神髄である傑作「791」で、アッパーは、高級靴ブランドがこぞって採用するイタリアの名門イルチア社のカーフだ。なお、モデル名は、紀元前6世紀に都市ローマを形成した7つの丘陵「ローマの七丘」のうち、いまなおその中心地であるカンピドリオ丘(別称カピトリーノ)によっている。グッドイヤー製法。レザーソール。ブラック、ブラウン、ボルドー、グリーン。5万6100円
OEM生産で培った技術力の高さは靴業界のプロたちの間でも折り紙付き!
ペルフェットは、1985年に千葉県松戸市で設立された靴メーカー、ビナセーコーが2006年に立ち上げたグッドイヤーシューズのハウスブランドです。同社はグッドイヤーのほかにハンドソーンウェルテッド、ノルヴェジェーゼ、マッケイ、ボロネーゼと、さまざまな製法をこなすなど高い技術力で、ペルフェットの立ち上げ以前から、靴業界ではその名がよく知られているOEMメーカーでした。
近年では、ジャパンメイドを謳ったブランド「KANPEKINA」をカナダに輸出し、そのビジネスも成功させています。なお、同社はベトナムにも工場を所有しており、そこで一貫生産するベトナムメイドのブランド、フウガシンを2014年にスタートさせており、こちらもワールド フットウェア ギャラリーで好評を博しています。
ビナセーコーの島村真如社長は創業者である会長のご子息で2代目となる。「もともと靴業界の人ではなかった会長の研究心や情熱を引き継ぎ、高級靴について深く研究されていて、その成果をいまのセンスで再構築し、製品に巧みに落としこんでいる点に感心させられます」(WFG スタッフ)。
ところで、実はペルフェットは、約3年間にわたるワールド フットウェア ギャラリーとビナセーコーの共同開発によって誕生しています。それもあって、2006年のブランドデビュー時には「ペルフェット・ウィズ・WFG」なるダブルネームブランドでした。
しかし、「ヨーロッパの一流ブランドに引けを取らない最高素材」を使い、「英国靴のような堅牢性」と「イタリア靴のような艶気(いろけ)」を備え、「古き良き時代のビスポークシューズの香り」も感じさせるグッドイヤーシューズを「適正なプライス」で提供するというブランドコンセプトは当時から不変で、それゆえにペルフェットの愛用者は少なくなく、いまなおワールド フットウェア ギャラリーの売れ筋ブランドであり続けています。
「実は、うちの店が取り扱った初めての国産レディメイドの靴がペルフェットでした」 by WFG スタッフ
「ある展示会を訪ねたとき、ご夫婦がたった4足の靴を置いているブースを目にしました。ほかに誰も注目していない様子でしたけれど、私たちは、そのビナセーコーという会社によるグッドイヤーシューズの品質の高さを理解し、将来の可能性を感じたんです。そのおふたりが現会長ご夫妻で、これを機にお付き合いが始まり、2003年から共同開発をスタートさせ、3年後に生まれたのがダブルネームブランドの『ペルフェット・ウィズ・WFG』でした。オーダーメイドのヒロ・ヤナギマチやコードバンシューズのオーダーは別として、それまでうちの店で取り扱ってきた既製靴は全てインポートでしたので、これが初の国産レディメイドとなりました」
イマ、買えるペルフェットの紹介はコチラ! → https://wfg-net.com/collections/perfetto
以上、執筆:雑誌ライター 山田純貴