ワールドフットウェアギャラリーでは「時を超えたエレガンス」を実現する靴を40年もの間世にご紹介し続けて参りました。
「時を超えたエレガンス」を実現可能にする靴というのはいったいどういったものがあるでしょうか?
私が思うに、ベーシックなデザインの靴である、ということが条件になると思います。
では、ベーシックな靴とはいったい何なのか?といえば、何年もの間、形を大きく変えずに作られ続けた結果、それが公的な標準化機関がなかったとしても、市場の競争の結果、業界内で事実上の標準製品として認められたり、採用されたりするもののことではないでしょうか。
ビジネス用語でいうところの「デファクトスタンダード」といったところでしょうか。
セミブローグはこういう規格で作ります、とどこかの機関が決めたわけではありません。でも、セミブローグはセミブローグでございます。
ここで私見が入りますが(こんな私見が入ることこそまさにデファクトスタンダード!)、セミブローグのもっとも王道の形は、やはりイギリス靴に由来する、コロンとした表情のものではないでしょうか。
※セミブローグシューズはジョン・ロブ・ロンドンが1930年代に最初に作成したと言われております。もし究極のセミブローグシューズを手に入れたい、となればやはりこのメーカーを抜きにして検討することはできないのではないでしょうか。
Orientalにスタンダードなブローグシューズがございます
さて、ベーシックなものの中でも、特にベーシックだと自信をもってお伝えできる商品がワールドフットウェアギャラリーにはございます。
それがOrientalのブローグシューズです。
セミブローグのREDFORD 52,800円(現在はスペリオールシリーズになって“2”となっています)
フルブローグのREDMAYNE 52,800円 (現在はスペリオールシリーズになって“2”となっています)
ともにラスト1220という、ショートノーズのラウンドトウのモデルです。当然ブリティッシュの様式を意識して作りました。
2017年、当時まだOrientalのレギュラーグッドイヤーシリーズを拡充していた時期に誕生したモデルです。そこで登場したのが、上記の2つでした。
特にフルブローグのREDMAYNEは、Church'sのチェットウィンドのような、だれが見ても至って普通のまったく奇をてらわない王道のフルブローグを作りたい、というスタッフ達の想いを反映させて作ったモデルです。
スタンダードなものが欲しいという方に、強くお勧めの靴です。
新型コロナウイルスの流行によって、生活様式が一変し、今までの価値観が薄らいでいるような中ではあります。既存の常識を疑って、新しいものを追求することも1つの価値ですが、戦争や疫病といった困難を我々同様に遭遇した先人たちが乗り越えながら作り続けてきたものに改めてスポットをあて見直すこともそれは1つの価値であり、かけがえのないことなのではないでしょうか。
そんなことをOrientalのブローグシューズを見ながら、感じた次第です。