2023年春、ワールドフットウェアギャラリーでは新たなブランドのお取り扱いを始めます。
その名もduckfeet(ダックフィート)。デンマークのブランドです。
まず5月17日(水)より神宮前本店でのみ取り扱いが開始になります。
duckfeetは男女兼用の靴となりますので、メーカーのサイズ展開も35サイズから45サイズ近くまであります。ご夫婦やカップルでご購入いただいても素敵でしょう。(※男性用サイズのみの在庫しかないモデルもございますので女性用サイズをご希望の方はぜひお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。)
1975年、北欧はデンマーク南部に位置するSkærbækの地で、Wiechmann夫妻( Inga and Claus )によりduckfeetは誕生しました。
Skærbækには、古くから縫製を伴う女性たちの暮らしがあり、この地で靴の生産を行うことは、文化・風習といった土地の風土に習う自然な取り組みでした。1970年代、Skærbækはデンマーク有数の靴の生産拠点として発展を遂げ、それまで家の中で縫製を行ってきた女性たちは、次第に町の工房に集い、靴の生産に携わるようになりました。
自然環境や、無理のない緩やかなフォルムへと人々の意識が向き始めた1970年代。天然素材と最小限の材料によって、シンプルな足の形にかたどられたduckfeetは、建築家フランク・ロイド・ライトやルイス・サリバンが提唱した "形態は機能に従う" "形態と機能は共にある" ことを体現するものとして、新たな価値観での生き方を求める北欧の人々のあいだに浸透していきました。
以来、小さなサイズでの経営を続けながら、シンプルであること、そして正直であることを基本に、デザインを本国デンマークで行い、革の生産はドイツ、靴の生産はポーランドで行っています。
生産拠点をデンマーク国内からポーランドへと移して以降は、ポーランドの伝統ある靴工房の職人たちと、深い信頼関係の元に生産を続けています。2004年、夫妻は次世代の担い手としてVibeke Dissingへとduckfeetを受け継ぎました。
Vibekeは、北欧有数の靴メーカーで豊富な経験を積んでいたことに併せて、「過剰を求めず、控えめに永く未来へと引き渡す」という創業者の精神を心から理解した女性でもありました。
こうした歴史に誇りをもって、現在のduckfeetにはデンマーク国旗とアイコニックなアヒル足の刻印が施されています。
創業時から変わらぬ木型とパターンによる靴作りが受け継がれ、時代を超えて、多くの方々にご愛用いただいています。
時代を超えて、今、手に取るダックフィートが創業時の一足と同じであること。このことこそduckfeetの価値そのものなのです。
"Keep it SIMPLE, not stupid."
デンマークの人々の足元を支えてきた、どこまでもシンプルな靴。
"Keep it simple, not stupid."
ただ、シンプルにあれ
この土地に響く呼びかけは、世界の暮らしに受け継がれています。
限りある恵みを、各地の暮らしへ。
ダックフィートは、上質でたくましい天然素材を使い、可能な限りの環境配慮のもと必要な分のみを生産し、各地の暮らしへ届けます。
敬意と共にあるシンプルな創造を、これからも。
素材
duckfeetには、数種類の革が使われています。
それぞれの特性を活かして、靴のアッパーにはドイツ Hinenn社の「terracare® leather」、中底にはDavid Oehler社によるヌメ革、素足で触れるサンダルには、ポーランド産のベジタブルタンニンによる鞣し革を使用しています。そして足当たりが柔らかい天然ゴムを使ったクレープソールが魅力です。
terracare® leather
|CO2排出量を30%削減
製造にかかる電力は、社内生産または再生可能エネルギーを使用し、CO2排出量は一般的な同業者に比べて30%以下に抑えています。
排出量ゼロを目標に、最大限の削減努力を行いつつ、生産過程で排出せざるを得ない分については、「植林活動」を行う専門団体(主に「The KIKONDA project in Uganda」:国連基準でGOLD評価取得)との協働により代替しています。
*annual neutralizing report for our leather spending for 2020
(温室効果ガス削減にかかる証明書(2020))
|97%以上のリサイクル/回収
製造中に発生する副産物の97%以上を再利用またはリサイクルしています。副産物は主にバイオガス、堆肥、革小物、ゼラチンの製造に使用可能。
|水の消費量を40%削減
一般的に、原材料となる生皮は通常「塩漬け」にして搬送・保管されます。これらの処理は腐敗防止を目的としたものですが、塩の洗浄には膨大な水を要することから、環境負荷を掛けることになり兼ねません。Hinenn社では、主に国内近隣地域からの素材調達を徹底し、塩漬けにせず、「冷却」運搬で鮮度を維持できる生皮のみを使用しています。こうして洗浄にかかる膨大な水の利用を抑え、通常より40%以上少ない水量での皮革生産を実現しています。更には、最新テクノロジーによる浄水機能を取り入れ、使用した水は自然界の水循環へと戻されます。
|100%クリーンな補助材料
terracare®レザーは、製造時にREACH認定の補助材料のみを使用しています(REACH =化学物質の登録、評価、認可、および制限)。 化学物質の取り扱いは、法規定よりはるかに厳格な基準をもって扱われています。
|100%透明な調達
原材料は、うち95%はドイツ国内、5%はヨーロッパ圏内から調達されています。 その起源の完全な透明性は、QRコードと皮革プロセッサーのterracare®アプリを介して常時確認が可能です。
主要モデルのご紹介
Sjaelland (シェラン)
Sjaelland(シェラン)は、創業当初から変わらぬデザインで作り続けてきたデザートブーツ。duckfeetのアイコニックモデルのひとつです。
Jylland(ユトランド)
Jylland(ユトランド)は、紐で甲を抑えるクラシカルな外羽根タイプ。創業当初より変わらない、duckfeetを代表するデザインの一つです。手間を惜しまずダブルステッチを施し、厚みのある丈夫な革をしっかり縫製しています。
モデル名となっているJylland(ユトランド)はデンマークで唯一、ヨーロッパ大陸と繋がる半島の名前。半島は国土の最も広いエリアを占めます。海岸線やフィヨルド、荒野、都会の街から小さな町まで、あらゆる顔を持ち合わせており、北から南、東から西へと広がる広大な景観を臨む舞台とも言えます。
Fyn(フュン)
Fyn(フュン)は、紐で甲を抑えるクラシカルな外羽根の変形モカシンシューズ。創業当初より変わらない、duckfeetを代表するデザインの一つです。手間を惜しまずダブルステッチを施し、厚みのある丈夫な革をしっかり縫製しています。爪先から甲にかけて入る継ぎのステッチは独特の表情。
モデル名となっているFyn(フュン)はユトランド半島の東に位置する島の名前。南部には美しいフュネン海を臨み、北部には美しい小さな町々が点在します。最も大きな街は、国内で3番目に大きな街、Odense。島の中心部に位置します。島の西側に架かるLittle Belt橋からJylland(ユトランド)半島へ、東側に架かるGreat Belt橋からはSjælland(シェラン)島へ渡ることが可能です。
Roskilde(ロスキレ)
Roskilde(ロスキレ)は、履き口の両サイドに伸縮性のあるゴアが施されたサイドゴアブーツ。厚手の靴下やタイツとも合わせやすく、使うほどにゴアも革も程よく馴染み、脱ぎ履きもしやすくなります。手間を惜しまずダブルステッチを施し、厚みのある丈夫な革をしっかり縫製しています。
モデル名となっているRoskilde(ロスキレ)はシェラン島東部に位置するは、デンマークで最古の都市の一つの名前。RUC大学の街としても知られ、その大聖堂や、毎年世代を超えた10万人以上の人々が集い音楽と楽しむ世界最大規模の野外音楽いイベント"Roskilde Festival"(ロスキレ・フェスティバル)は有名です。
Ringkøbing(リンケビング)
Ringkøbing(リンケビング)は、革ベルトがおおらかに甲とかかとを覆う、足首ベルトが調節可能なグルカサンダル。安定感のある履き心地で、靴下を履いても納まりの良いデザインです。
モデル名となっているRingkøbing(リンケビング)は、ユトランド半島西部に位置する、古くから市場として機能してきた小さな町。古い家屋の町並みや、玉石による石畳の道が魅力です。美しいフィヨルドの海岸は、デンマークで有数のサーフィンの名地の一つです。
Bornholm(ボーンホルム)
Bornholm(ボーンホルム)ストラップサンダルは、ストラップの長さを自在に調整できる独自の構造。つま先を起点に、靴底の内側を通る一本の革ストラップはくるぶし下まで繋がっていて、足の形に合わせて調節することが可能です。履く人それぞれに寄り添い、お好みのフィット感を実現できる構造はボーンホルムならではです。
モデル名となっているBornholm(ボーンホルム)は、太陽の光の降り注ぐ、バルト海に浮かぶ島の名前。この島のビーチを素足で旅するように、ぜひ、このサンダルで真夏の日常を歩いてください。