サンピエーレ/高品質ながらプライスお手頃!ちょっと個性ある靴をお探しならコチラです
好評を博した2019年のヒットモデルです。繊細な起毛の上質スエードをアッパーに使い、甲サドルやトップホールトリムのスムースカーフをアクセントにしたデザインが非常に印象的で、スクエアモカが施されたトウのシルエットにも色気を感じる個性的な1足に仕上がっています。柔らかいスエードとマッケイ製法の組み合わせによって屈曲性が良く、素足履きも快適です。レザーソール。ブラック(写真上)、ブラウンの2色。2万6400円(税込み)。
英国靴とイタリア靴の絶妙ミクスチャーが足元にエレガンスと色気を添えてくれます
スペインの紳士靴というと、靴好きの方はどんな印象をもつでしょうか? 英国靴のように重厚でトラディショナルな雰囲気のなかに、イタリア靴のようなデザイン性や色気を添加した、そんな靴をイメージするかもしれません。これはサンピエーレも同様で、そのコレクションを俯瞰してみますと、多くのモデルからそんな“スペイン靴らしさ”をうかがうことができます。
サンピエーレは1960年代の創業以来、高級革靴や革ベルトなどを生産し続けいているマニフェスト2002社(MANIFESTO 2002 S.L.)というメーカーのオリジナルブランドです。同社が本社と工場を構えるサラゴサは、スペイン東部アラゴン州の州都。スペインの首都マドリードの北東に位置し、マドリードとバルセロナのほぼ中間点にあって交通の要所として栄えてきた古都です。現在も、この有利な立地からか、多くの工場が集まっており、同社も、そのサラゴサの市街地からサラゴサ空港を経たラ・ムエラ地区の工業地にあります。
サンピエーレにはコンサバティブなドレスシューズからデザイン性の高い小洒落たレザースニーカーまで、多種多様なスタイルの紳士靴が揃っています。とはいえ、マニフェスト2002社が十八番とするマッケイ製法で作られたクラシックベースの、しかしほど良く色気も感じさせる、そんな個性的な靴がメインであるようです。聞くところ、デザインの多くを社長の子女であるルルデス・グラシアさんが担っているとかで、そのためか紳士靴ながら女性靴のような、より自由な発想が取り込まれた製品が目につきます。
採用する素材や部材にも強いこだわりがあり、たとえばアッパーに、名だたるメゾンを顧客にもつイタリア中部トスカーナの大手タンナー、インカス(INCAS)社のカーフなどの高級レザーを厳選し採用。それでいてプライスは比較的お手頃で、品質に対してお買い得な価格設定であるのがウレシイのです。しかも、海外でもサンピエーレオリジナルの流通量は決して多くなく、要はブランド自体がレアな存在。そんな点も靴好きを魅了するのかもしれません。
革靴メーカーのサンピエーレですが、レザースニーカー作りにおいても吟味した上質な革を厳選使用。コートスニーカー「ZPW5431」では、元来が革靴に用いる高級イタリアンカーフをアッパーに使い、そこに同社が得意とする美しいアンティーク仕上げを施すことで、スポーティで軽快な足元に端正でクラシカルな表情を添える1足にしています。ネイビー(写真)、ボルドーの2色。5万2800円(税込み)。
「サンピエーレはマニフェスト2002社と当店の共同開発で誕生したブランドなんです」 by WFG スタッフ
「マニフェスト2002社のことは、2005年に伊・ミラノの靴展示会MICAMで知りました。その後、ほどなくして社長の子息でセールス担当のホセ・グラシアさんらが来日し、うちの店に訪ねてきてくれたんです。『良い靴とは、どんな靴なのかを学びたい』ということで。もともとファッションセンスのあるメーカーなんですが、日本で展開するには木型や製靴法などを変更する必要があり、一緒に検討しました。その翌年にはうちのスタッフが同社の工場を訪問し、デザイン担当のルルデスさんが来日されたりして『一緒に良い靴を作ろう』ということに。当初はWFGのオリジナルブランドでの展開をしていたんですが、2007年に両社ともに納得のできる “良い靴”が出来上がったことから、ZAMPIEREネームで展開することにしたんです」
イマ、買えるサンピエーレの紹介はコチラ! → https://wfg-net.com/collections/zampiere
以上、執筆:雑誌ライター 山田純貴