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先日のブログで取り上げた「専門用語」「呼称・名称」の問題について、引き続き今回はお話をさせていただければと思います。

ファッション雑誌を読んでいると、そこかしこに専門用語に飛び交っています。 

この専門用語、呼称、名称というのは接客をするうえで非常に危険なものだと思っています。

「おしゃれが嫌いなんです」という男性は女性に比して多いと感じます。

筆者はおしゃれ嫌いを生み出す要因の一つとして、この専門用語とそれを使う私たちアパレルに携わる人間たちに大きな罪があると思っています。

専門用語を使うとき「あなた、この言葉くらい知ってるよね?」という無言のプレッシャーを与えやすいパワーがあると筆者は思います。

そして、この専門用語、そんなパワーがある割にはきちんと言葉が住み分けされていなかったり、こっちの雑誌ではAと言っているのに、こっちの雑誌ではBと言っていたり・・・なんてことはよくあることです。

 

ややこしい専門用語の実例 

ここで実例を出しましょう。内羽根の靴を指す言葉、「オックスフォード」と「バルモラル」の問題。

 

 おそらくではありますが、本来内羽根の靴の総称は「バルモラル」だったのだと思われます。そして「オックスフォード」というのは、本来は紐の短靴の総称でした。しかし、

ですが、今日では「オックスフォード」という呼称は内羽根の靴の総称としても使われています。

「こっちの雑誌ではオックスフォードは紐の短靴の総称と言われているのに、こっちの雑誌では内羽根の靴の総称って言っていてわからない」という事態を生み出すことになりかねません。 

と、いうより生み出しています。実際に接客をしていて聞かれることもたまにあります。

ですが、私たちはオックスフォードの靴はありますか?と聞かれれば、内羽根の靴を探しているんだな、とわかるので実は問題になることはありません。 

人間には「察する」という能力があるので、足りない情報は察することで補完するのです。

一番大切なことは相手が何を言わんとしているのか汲み取ろうとする努力、そして相手に出来る限りわかるように伝えようとする努力ではないでしょうか。

 

専門用語の危うさ

とてもとてもお恥ずかしいお話をここで告白させていただくのですが、今から8年ほど前、革靴の世界に目覚め始めた当初の筆者はダイナイトソールのことを、「ダイナマイトソール」と言っていたことがありました。

知ったような顔をして「ダイナマイトソール」の靴はありますか?と百貨店の店員さんに聞いたことを今でもよく覚えています。

しかし、私を接客してくださったその方は何も言わずにダイナイトソールの靴を用意してくださいました。そしてさりげなく会話の中で「ダイナイトソール」と言うことで「ダイナマイトソール」ではないということを私に教えてくれたのです。

この接客はどなたにも100%通じるものではないとは思います。中には恥をかかされたと逆にお怒りになる方もいるかもしれませんが、私はそういうタイプの人間ではないと空気感で判断したのだと思います。きっとその方は別のタイプのお客様には、接客の言葉を変えたはずです。

 

そういえば、こんなこともありました。某ビンテージショップで筆者が「ナロータイはありますか?7㎝くらいの…」と聞くと、「そんなネクタイはありませんね。7㎝はそもそもナロータイじゃないので。6.5cmくらいからを普通ナロータイって言うかな。その意味ならナロータイはあるよ」と返答されました。

 

嘘のような話ですが実話です。

ありがちですが、マニアが集うような店になればなるほど「わかった感」を出す店員は現れがちです。

こういった接客は最低最悪ですが、専門用語にはこういった人間を作り出すほどの危うさがあるということも肌身をもって知っているつもりです。

 

 

 

ワールドフットウェアギャラリーでは親身な接客を心がけています

ワールドフットウェアギャラリーのスタッフは難しい専門用語、マニアックな呼称を接客で積極的には用いません。もちろん革靴の造詣がある方とお話をするときは専門用語を使うことはあります。

これはお客様を選別して行っていることではありません。あくまでお客様にわかりやすい接客を心がけているからです。

 

たとえば筆者は「ボールジョイント」という言葉もあまり使わないようにしています。革靴初心者の方には聞き馴染みのない呼称でしょう。

 

「親指の付け根と小指の付け根の間の足の幅が最も広くなり、当たりやすいのですが、この部分に圧迫感、痛みなどありませんか?」と聞いたりします。

 と、いうのも以前「ボールジョイントってどういうことですか?すみません革靴は全く初めてなので…」と顔を赤くしながら申し訳なさそうに質問を受けてしまったことがあったのです。

自分では当たり前の用語であっても、知らず知らずのうちにあるお客様に対してはプレッシャーを与えてしまいかねないと気が付いたのです。

 

これは革靴の世界においては「ストレートチップ」「プレーントウ」というごくごく一般的な用語でも起こりえます。

偉そうなことを言ってきましたが、つい私たちもビギナーの方に専門用語を使ってしまうことはありますし、専門職である以上完全に避けることはできません。   

 

普段は全く履かない革靴を一生の晴れ舞台に履くためにとお求めになる方…

成人式のために初めて革靴を購入される方…

お客様には、お一人お一人にご来店のきっかけとなる背景があります。全員が革靴好きでないことも承知しております。

 

どのようなお客様にも、ご満足をいただけるよう、接客の質の向上もワールドフットウェアギャラリーでは努めて参ります。

店構えからして恐縮されてしまうお客様もいらっしゃいますが、ワールドフットウェアギャラリーは堅苦しくなく、親しみやすく、わかりやすい接客を心がけております。緊急事態宣言解除後はお気軽にお立ち寄りいただければと思います。

 

スタッフ一同皆様と気兼ねなくお会いできるその日を楽しみにしております。

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