Go ahead. Make my day.

Go ahead. Make my day.

 

このセリフでピンときたあなた、アクション映画好きですね?

 

先日とある番組で、「日曜洋画劇場で最も放映された映画はダーティー・ハリーである」という雑学を紹介していました。

 

クリント・イーストウッド主演の1971年発表「ダーティー・ハリー」。

 

冒頭のセリフはハリーの名台詞として、映画界に名を残しています。

ハリーは今の映画では考えられないほど、すぐにドンパチして、逮捕する前に容赦なく犯罪者を撃ち殺してしまいます(笑)

そこが良いんですよね。逆を言えば今の映画はちょっとリアリズムに媚びすぎているところもある気がします。

 

30年代~60年代頃までの含蓄があるノスタルジックな映画もいいですが、ダーティー・ハリーのように頭を楽にして観るアクション映画も、映画の醍醐味ではないでしょうか。(※ご覧になったことのある方はご存知でしょうが、ダーティー・ハリーシリーズのストーリー自体は結構重たいです)

 

さて、映画の内容には触れられるダーティー・ハリーも、悲しいかなファッションに関してはあまり触れられていないので…

今回はそんなダーティー・ハリーから革靴の話を少々いたします。

 

独特な70年代ファッション

1970年代はヒッピー文化の影響があり、ファッションの幅も大きく広がった時代です。

一目で見てわかる特徴的なデザインといえば、フレアパンツです。

 

裾に近づくにつれて、ベルのように裾野が広がっていく「ベルボトム」は当時の最先端ファッションでした。

ただベルボトムなだけでなく、丈もかなり長く、地面すれすれになっているものもありました。

直前の60年代の地味でミニマルなスーツスタイルの反動も大きいのか、ジャケットのラペル幅も広くなり、デザインと色柄の華やかさが打ち出されます。

これ以上コテコテしてしまうとうるさすぎると感じたのか?きざったらしく感じたのか?この点は定かではありませんが、ポケットチーフを挿さなくなっていきました。

この時代のドレスウエアは、今見てもベルボトムと相まって、かなり時代感を感じさせるスタイルになっています。

 

ダーティー・ハリーの何作目かでも、ベルボトムのジーンズを履いているシーンがあります。

 

なお、ダーティー・ハリー1が発表された70年代初めのアメリカでは、パイプドステムのすらりとしたスラックスが人気だったようで、1では見事にこのスタイルをとっています。70年代のアメリカントラッドといえば、パイプドステムのスラックスも忘れてはいけません。

 ダーティー・ハリーというと、エルボー・パッチを当てたグレーのヘリンボーンツイードジャケットを着ているイメージがあるかと思いますが、この点に関して、タイムレスで、アメリカントラッドを語るうえでは忘れてはならないクラシックなものであると思います。

トラッド好きならグレーヘリンボーンツイードは外せません。

 

70年代の革靴

 

映像ではほとんど映らないので、残されている写真や、足元が映り込むシーンをコマ送りで観察をすると、こんなデザインの靴だったことがわかります。

 

 

ちょっとわかりにくいので、似たデザインの靴の画像をご用意致しました。

 

 今ではめっきり見かけなくなったUチップの一種です。

 

いわゆるDoverタイプのUチップとは大きく異なり、Vフロントダービーのように羽根をグッと開くことができますので、開閉機能に優れ、甲が高い方もより安心して履くことのできるデザインです。

Uチップではありますが、プレーントウに近い雰囲気で履くことのできる靴です。

 

このUチップはどうも70年代当時はアメリカを中心によく流行っていたようで、60年代に流行していた外羽根のプレーントウからさらに一捻りしたようなデザインになっています。

 

古靴を探していると70年代製のアメリカ靴でちょこちょこと見かけます。

 

捻りすぎたのか?シンプルなように見えて妙に主張するためなのか? 

繰り返しになりますが、2020年代の革靴シーンではほぼ絶滅してしまったデザインです。

 

やはり革靴も含めて、70年代のファッションというのは、その時代性を強く感じさせるものであると感じます。

 さらに細かい話になりますが、おそらくプライベートのものだと思われますが、クリント・イーストウッドはタキシードにもこのUチップを合わせている写真が残っています。今ではなかなか考えられないチョイスです。

 

時代時代によって移ろうファッション。

伝統性の中に、一種の挑戦・工夫が見受けられるのが70年代ファッションシーンの興味深いところです。

 

ここまで話しておきながら…なのですが、残念ながら弊社ではこのスタイルの靴を制作する予定は一切ございません。70年代ファッションがお好きな方、お詫びを申し上げます。

 

スタッフの小話として読み流していただけると幸いです。

 

もし、このハリーモデルのUチップが欲しい、という方がいらっしゃいましたら、弊社バイヤーにその熱いご要望をお寄せください。

もしかして、もしかすると、その期待にお応えできる…かもしれません。